子供のトレーニングについて
陽心会館トレーニング、コンディショニング担当の山田です。
本日は、子供のトレーニングについて書きたいと思います。
私自身、専攻が運動物理だったこともありトレーニングを練習に取り入れているのですが、この間別の道場の保護者の方に子供のトレーニングについて聞かれました。
「子供のうちにトレーニングすると背が伸びなくなる」
「子供のうちにトレーニングをすると怪我が増える、体が硬くなる」
「子供のうちは自重トレーニング(腕立てなどの器具を使わないトレーニング)で充分」
残念なことに、今だに日本で言われている言葉です。
私の周りにも上のような言葉をよく言う指導者がいるのですが、果たしてその指導者は筋肉に対する勉強をどれほど行い、理解しているのか疑問です。
まず、トレーニングをすると背が伸びなくなる。
これは、半分正解で半分間違いです。
骨の成長は、骨の両端にある骨端線と呼ばれる部分が伸びます。
ちなみに、骨の硬さはカルシウムに依存しますが骨の成長においては主に多糖類とタンパク質によって成長します。
トレーニングを行うと筋肉が損傷し、その再生にタンパク質を使うことで再生、結果強く太くなります。
トレーニングを行い、タンパク質を充分にとらないと筋肉に栄養を持っていかれ、骨の成長に回る分が足りなくなります。
次に、トレーニングをすると怪我が増える。
これは単純に指導方法、適切な重量の把握、関節の構造の不理解の問題です。
そもそも疑問なのですが、子供のトレーニングに否定的な方達は自身でウェイトトレーニングを行ったことがあるのでしょうか?
そして、筋肉の常識はこの10年でだいぶ変わりました。
指導者もこれからは勉強を必要とする時代です。
昔ながらの伝統だけでなく、しっかりとした理論、知識を持って指導に当たれば怪我はしません。
最後になりますが、子供のうちは自重トレーニングだけで充分という部分ですが実はトレーニングで一番難しいものが自重トレーニングです。
腕立て伏せ一つとっても、ただしい関節の角度で、肩甲骨を動かさず、しっかりと肘を曲げて胸を下ろせる人はあまりいません。
リハビリを担当している時も様々な分野のアスリートにやっていただいているのですが、正しいフォームで出来る方は3人に1人ほどです。
間違ったフォームで行うことで関節に余計な負荷がかかり怪我が逆に増えることになります。
ちなみに、海外のトップアスリートと呼ばれる方達の統計をとってみると、トレーニングを開始した平均年齢は約8歳と言います。
子供のころから知識を持ったトレーナーがつき、正しい理論にのっとってトレーニングを行う。
そして怪我なく子供達が成長していけるよう、我々指導者もしっかりと勉強していきましょう。
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